金庫解錠の中でも、特に緊急性が高いのが「緊急金庫解錠」です。火災、水害、地震などの災害発生時や、急病、事故など、人命に関わる緊急事態が発生した場合、金庫の中にある貴重品や重要書類、医薬品などを一刻も早く取り出す必要があります。ここでは、実際に鍵屋が対応した緊急金庫解錠事例をいくつか紹介し、時間との戦いとプロの技について解説します。事例1:火災現場からの緊急金庫解錠。住宅火災が発生し、家主は避難できたものの、金庫の中に現金や貴重品、保険証券などが入ったままになっていることに気づきました。消防隊員の消火活動後、家主から鍵屋に緊急解錠の依頼が入りました。現場に急行した鍵屋は、金庫の状況を確認。火災による熱で金庫本体が高温になっている可能性があり、慎重な作業が求められました。鍵屋は、耐火服と防熱手袋を着用し、金庫の温度を測りながら、ダイヤル解錠を試みました。しかし、金庫内部の機構が熱で歪んでいる可能性があり、ダイヤルがスムーズに回らない状態でした。そこで、鍵屋は、特殊な工具と技術を駆使し、鍵穴からのピッキング解錠に切り替えました。高度な集中力と技術を要する作業でしたが、鍵屋は、わずか数十分で金庫の解錠に成功。家主は、金庫の中から貴重品と保険証券を取り出すことができ、大変感謝していました。事例2:水害被害からの緊急金庫解錠。記録的な豪雨により、住宅が床上浸水。家主は避難しましたが、金庫の中に会社の重要書類や顧客データが入ったままになっていることを思い出しました。水が引いた後、家主から鍵屋に緊急解錠の依頼が入りました。現場に到着した鍵屋は、金庫が水没している状態を確認。水圧と泥水の影響で、金庫のロック機構が故障している可能性がありました。鍵屋は、まず金庫の周囲の泥水を取り除き、金庫本体を丁寧に清掃しました。その後、鍵穴の状態を確認し、ピッキング解錠を試みましたが、鍵穴内部に泥や錆が詰まっており、ピッキングが困難な状況でした。そこで、鍵屋は、鍵穴洗浄剤と特殊工具を使い、鍵穴内部の洗浄と錆取り作業を行いました。根気強い作業の結果、鍵穴の動きが回復し、ピッキング解錠に成功。家主は、金庫の中から重要書類と顧客データを取り出すことができ、事業再開に向けて動き出すことができました。これらの事例からわかるように、緊急金庫解錠は、時間との戦いです。
緊急金庫解錠事例集時間との戦いとプロの技